ビーツ:ヒユ科
ビーツは「食べる輸血」と呼ばれるほど栄養価が高く、家庭菜園で人気が高まりつつある野菜です。
赤い根だけでなく葉も食べられ、無駄なく楽しめるのも魅力です。
畑での栽培は比較的やさしく、種まきから約2か月で収穫可能です。
この記事では、初心者でも安心して挑戦できるビーツの育て方や収穫のポイントを詳しく解説します。

種まき方法
ステップ1 種の特徴を知っておく
ビーツの種はコルクのようにゴツゴツした形をしていて、実はひと粒に複数の芽が入っています。
そのため、まいたあとに数本まとめて芽が出るのが普通です。
この性質を理解しておくと、発芽後の間引き作業にも戸惑わずに進められます。
ステップ2 芽出しをして発芽を助ける
乾いたままの種は発芽しにくいので、芽出しをしてからまくと安心です。
方法はシンプルで、種を一晩ぬるま湯につけてから湿らせたキッチンペーパーに包み、ラップやビニール袋に入れて室温で2〜3日おきます。
白い芽が顔をのぞかせたらまきどきです。発芽率が上がるので、初心者でも成功しやすくなります。
ステップ3 土を準備する
ビーツは根がふくらむ野菜なので、やわらかく深い土を好みます。
地植えなら20cm以上しっかり耕し、石やかたい土のかたまりを取り除きます。
プランターなら市販の野菜用培養土をそのまま使うと簡単です。
土の表面をならし、平らにしてから種をまく準備をします。
ステップ4 まき方を工夫する
条まきという方法がおすすめです。
これは、細い溝をつけてそこに種を並べるまき方です。
深さは1cmほど、株と株の間は5〜6cmを目安に置いていきます。
芽出しした種は芽を傷つけないように、ピンセットや指先でそっと扱います。
覆土はごく薄く、土がかぶさる程度で大丈夫です。
ステップ5 水やりと保湿を忘れない
まき終わったら、ジョウロでやさしく水をかけます。
強くあてると種が流れてしまうので、シャワー口を上に向けて霧のように落とすと安心です。
その後、乾燥を防ぐために新聞紙や不織布で軽く覆っておくと、土がしっとりした状態を保てます。
芽が出始めたら覆いは外します。
ステップ6 発芽後の管理と間引き
数日から1週間ほどで芽がそろい始めます。
先に触れたように、一粒から数本出てきますので、本葉が1〜2枚になったころに間引きを行います。
元気な1本を残して、弱そうな芽は地際からハサミで切ります。
手で抜くと根を傷めることがあるので、切る方が安全です。
株間を広げてあげると、根が丸く育ちやすくなります。
ステップ7 育ちを助けるやさしい追肥
芽が育ち始めて本葉が3〜4枚になったら、少しずつ栄養を足してあげます。
株の外側の土に化成肥料を軽くまいたり、有機肥料を少しすき込んだりすると良いでしょう。
直接株元に触れないようにして、施肥後は水を与えて土とよくなじませます。
肥料は控えめを心がけ、葉色が濃く元気なら無理に与える必要はありません。
これで発芽から順調な成長への第一歩が整います。

苗を買ってきた場合の定植方法とマルチング
ステップ1 植え付け前に苗と土をととのえる
買ってきたビーツの苗は、植え付け前日にたっぷり水を与え、直射日光と風を少し避けた場所で半日ほど慣らします。
これを順化といい、急な環境変化によるしおれを防ぎます。
畑やプランターの土は、スコップがすっと入るくらいふかふかに耕し、表面をならしておきます。
ビーツは根がふくらむ野菜なので、土に大きな石やかたい塊が残らないよう取り除くのがコツです。土の酸度はやや弱酸性から中性が育てやすく、迷ったら市販の野菜用培養土を使うと手早く整います。
ステップ2 畝づくりと植え付け間隔を決める
地植えなら幅60〜70cmほどの畝をつくり、条間は25〜30cmを目安にします。プランターなら深さ25cm以上、幅は60cmクラスが安心です。
株間は15cm前後にすると、根が丸く太りやすくなります。
苗を置いてみて、窮屈にならない並びになっているかを確認してから次に進みます。
ステップ3 マルチングを先に敷く
春先のまだ涼しい時期や雑草が気になる場所では、植え付けの前に黒色のビニールマルチをぴんと張っておきます。
マルチングとは土の表面を覆うことを指し、地温を安定させたり乾燥と雑草を抑えたりする効果があります。
夏の高温期はワラや刈り草などの有機マルチが熱をやわらげ、土の過乾燥も防いでくれます。
ビニールマルチを使う場合は、株間の位置に直径7〜8cmほどの穴をあけ、そこが植え穴になります。
ステップ4 苗の準備とほぐし方のコツ
ビーツのタネは一粒から複数芽が出る性質があり、市販のセルトレー苗も一つのポットに2〜3株まとまっていることがあります。
根が乱れない程度に静かに割り、1株ずつに分けるときれいな丸い根になりやすいです。
根鉢が崩れそうなら無理に分けず、そのまま植えてから後で間引いても大丈夫です。
いずれの場合も、根鉢の側面を手で軽くなでて白い細根を動かし、植え穴で新しい土へ伸びやすくしておきます。
ステップ5 植え付けの深さと向きを合わせる
植え穴に水を少し入れて湿らせ、苗をそっと置きます。
植える深さは、ポットに入っていた土の表面と畝の表面がほぼ同じになる程度が基本です。
深植えにすると根が細長くなり、浅すぎると根の肩が早く露出して固くなりやすいので、まっすぐ立てて土を寄せ、指で株元を軽く押さえて固定します。
葉は風向きに対して少し扇のように広がる向きにすると、倒れにくく見た目も整います。
ステップ6 たっぷりの水やりとマルチの押さえ
植え付け直後は、株元にじっくり水を注いで根鉢と周りの土を密着させます。
マルチを敷いている場合は植え穴の縁にも水が回るよう、ゆっくり時間をかけるのがコツです。
有機マルチなら、株元に厚さ3〜5cmほどのワラや刈り草をふんわり敷き、茎の付け根は埋めないようにします。
数日間、強い日差しや風が続く予報なら、寒冷紗や不織布で軽くトンネルをかけて保護すると活着が安定します。
ステップ7 活着後の手入れとやさしい追肥
植え付けから1〜2週間は土を常にしっとり保ち、葉がしゃんとしてきたら活着の合図です。
1カ所に複数株植わっている場合は、葉が手のひらほどになったあたりで元気な1株を残し、ほかは地際からはさみで間引いてスペースを確保します。
植え付け2〜3週間後、葉色が薄い・生育がゆっくりと感じるときは、株の外側の土の上にごく少量の化成肥料をまき、軽く土となじませると安心です。
ゆっくり効く有機肥料を選ぶのも育てやすい方法です。
どちらも株元に直に触れないようにして、施した後は水を与えます。肥料のやり過ぎは根の形を乱しやすいので控えめを心がけ、根の肩が見えてきたら薄く土を寄せて日光から守ると、やわらかく色つやのよいビーツに育ちます。
栽培管理について
STEP 1 発芽直後の湿り気を守る
ビーツは小さな芽のうちは乾燥に弱く、土がカラカラになると生育が止まってしまいます。
発芽してから本葉が出るまでは、表面が乾かないように朝に軽く水やりをして土をしっとり保ちましょう。
水をかけすぎて泥状にすると根が苦しくなるので、やさしく散らすように注ぐのが安心です。
STEP 2 間引きで育ちを整える
ビーツの種は一粒から複数の芽が出るため、間引きは欠かせません。
本葉が2枚ほどの頃に1回目、本葉が4枚ほどで2回目を行い、最終的に株間を8〜10センチにします。
引き抜くときは残す株の根を傷めやすいので、ハサミで地際を切ると安全です。
間引いた若葉はサラダに使えるので、捨てずに楽しみましょう。
STEP 3 水やりのリズムをつくる
本葉が揃ってきたら、土の表面が乾いて白っぽくなったタイミングでたっぷり与えます。
毎日少しずつよりも、乾いたら鉢底から水が出るまでしっかり与える方が根張りが良くなります。
雨が続くときは与えすぎず、土の状態を確認して調整します。
STEP 4 土寄せで根を守る
根の上部が地表に顔を出してくると、日光で緑化して硬くなりやすいです。
その場合は株元にそっと土を寄せ、肩の部分を隠すと色と形がきれいに仕上がります。
強く押さえつけると根を傷めるので、軽く覆う程度で十分です。
STEP 5 追肥で生育を後押しする
本葉が4〜5枚になった頃と、さらに3〜4週間後に追肥をすると育ちが安定します。
株の周りに少量の化成肥料をぱらりとまくか、完熟した有機肥料を株の外側に置き、軽く土と混ぜ込みます。
根元に近すぎると傷みの原因になるので、少し離した位置で施すのがコツです。
STEP 6 日当たりと風通しを確保する
ビーツは日当たりを好むので、半日以上しっかり光が当たる場所に置くと元気に育ちます。
風が通りにくい場所では病気が出やすいため、株と株の間に余裕を持たせて蒸れを防ぎます。
暑さが厳しい時期は午後だけ遮光すると葉焼けを避けられます。
STEP 7 病害虫を早めにチェックする
アブラムシやナメクジが葉に付きやすいので、毎日観察して見つけ次第取り除きます。
葉に白い筋ができるのはハモグリバエという小さな虫の仕業なので、その葉を早めに切り取って被害を広げないようにします。
葉の色や形の変化に気づけば、大きなトラブルになる前に対処できます。

追肥について
STEP 1 追肥をする目的を知る
ビーツは根を太らせる野菜なので、育ち始めにしっかり栄養を補うことが大切です。
追肥をすると葉が青々と元気になり、根もふっくらと大きく育ちます。
肥料が少ないと色が薄くなったり、形が小さくなったりするので、収穫までの成長を支えるために追肥が必要になります。
STEP 2 最初の追肥のタイミングをつかむ
種まきから3〜4週間が経ち、本葉が4〜5枚になった頃が最初の合図です。
この時期にしっかり栄養を補うと、その後の根の膨らみが安定します。
葉が元気に育ってきたら、忘れずに一回目を与えましょう。
STEP 3 追肥の量を控えめに始める
ビーツは肥料のやりすぎで葉ばかり茂り、肝心の根が太らないことがあります。最初はひと握り程度の少量を株元から少し離した場所にまき、軽く土となじませます。株に直接触れないようにするのがポイントです。
STEP 4 化成肥料を活用する
初心者には扱いやすい化成肥料がおすすめです。すぐに効いてくれるので、生育の勢いをつけたいときに便利です。株の周りにパラパラとまき、表面の土と軽く混ぜてから水をあげると、すぐに吸収されて効果が表れます。
STEP 5 有機肥料でじっくり育てる
もし香りや味わいを深めたいなら、有機肥料もよい選択です。じんわりと効いて長く栄養を支えてくれるので、根が充実しやすくなります。完熟たい肥やボカシ肥を少量株の外周に置き、薄く土をかけてなじませると安心です。
STEP 6 2回目以降の追肥を忘れない
収穫までにもう一度、植え付けから7〜8週目くらいに追肥をすると効果的です。この頃は根が膨らみ始める大事な時期なので、栄養を追加することで色つやも良くなります。最初と同じように株元から少し離して与えます。
STEP 7 日々の様子を見て加減する
葉の色が薄く黄ばんできたら栄養不足のサインなので、少し早めに追肥を足します。逆に葉が濃く茂り過ぎている時は肥料を控えた方が根の成長に集中できます。土の状態や葉の色を毎日観察しながら、少しずつ調整するのが失敗しないコツです。
プランターでの管理方法
STEP 1 プランターと用土を整える
根がふっくら太る野菜なので、深さ25〜30センチ以上ある容器を選ぶと安心です。
標準的な横長プランターなら60センチ幅で株間10センチ前後の並びが目安、丸鉢なら8〜10号で2〜3株が育てやすいです。
底穴を増やしたり、鉢底石を1〜2センチ敷いて水はけを高めると根腐れを防げます。
土は市販の野菜用培養土で十分。ふんわりさせたい時は軽石やパーライトを少し混ぜると通気が良くなります。
植え付けの前に、ゆっくり効くタイプの元肥を土全体に混ぜ込みます。手軽さなら化成肥料、香りやコクを狙うなら完熟タイプの有機肥料が相性良いです。
STEP 2 直まきで発芽をスムーズにする
ビーツは移植を嫌うので、プランターに直接まくと失敗しにくくなります。
表面をならして深さ1センチほどのまき溝を作り、3〜4センチ間隔で種を落とし、軽く土をかぶせます。
種をまく前に土を湿らせておくと発芽がそろいやすく、まいた後は乾かさないよう軽く霧水。
発芽適温はおおよそ15〜25度。
春と秋が育てやすい時期で、暑い日はよしずなどで日差しを和らげると勢いが落ちません。
STEP 3 まびきで根の形を整える
ビーツの種は一粒から複数芽が出ることが多く、そのままだと混み合って根がいびつになります。
本葉が1〜2枚で最初のまびき、株間を2〜3センチに。さらに本葉が3〜4枚で二回目、最終的に株間8〜10センチを目指すと丸く育ちます。
引き抜いて根を動かすより、土際でハサミを入れて切り取ると残した株がびくともしません。若い葉はやわらかく、サラダや味噌汁の彩りに使えます。
STEP 4 水やりは「乾ききる前にたっぷり」
表土が乾いて白っぽくなったら、鉢底から水が流れ出るまでしっかり与えます。
朝のうちに行うと葉がしゃっきり保てます。
乾かし過ぎとびしょ濡れの反復は、根の割れや筋っぽさの原因になりがちです。
暑い季節は土の表面を腐葉土やワラで軽く覆うと水分が逃げにくく、温度も安定します。
受け皿にたまった水は放置しないようにし、風通しの良い場所へ置いて蒸れを避けます。
STEP 5 追肥でじわっと太らせる
本葉が4〜5枚に増えた頃と、その3〜4週間後が目安です。
株の外周に沿って溝をつくり、少量の化成肥料をぱらりと与えて土を戻します。
ゆっくり効かせたい時は粒状の有機肥料も使いやすく、香りの良い仕上がりが期待できます。
茎元に近づけ過ぎると肥料やけを起こすので、必ず少し離した位置に置き、施した後は軽く水をかけてなじませます。
葉ばかり茂るようなら量を控えめにすると根太りが安定します。
STEP 6 日当たりと温度管理で色と甘みを引き出す
半日以上よく日の当たる場所が理想です。
週に一度、鉢の向きを変えるだけでも生育がそろい、根の肩部分の色づきが均一になります。
真夏の日差しが強い時期は、午後だけ明るい日陰に移すと葉焼けを防げます。
風の通り道を確保し、プランター同士を詰め過ぎないことも大切です。
夜の冷え込みが強い季節は、不織布やビニールでふんわり覆うと生育が止まりません。
STEP 7 毎日の見回りでトラブルを未然に防ぐ
葉に白い筋のような食害痕が出たら、葉の中を食べ進む小さな虫の可能性があります。
見つけ次第、その葉を早めに外して被害の広がりを止めます。
新芽に群れる小さな虫は水流で洗い流し、増える前にこまめに対処します。
ナメクジは夕方以降に活動が活発なので、鉢の下や縁を点検して取り除くと安心です。
土の表面が固くなってきたら、手で軽くほぐして空気を入れると根の伸びがよくなります。
根の肩が日光で緑化しないよう、土寄せを薄くして隠しておくと色よく仕上がります。
プランター栽培は、水・肥料・日当たりの三つを整えるだけでぐっと成功率が上がります。
深めの容器にふかふかの土、まびきでスペースを確保し、乾き過ぎる前の水やりと控えめの追肥。
これだけで、丸くてみずみずしいビーツに近づけます。
農薬管理について
ビーツは涼しい季節が得意ですが、葉を吸汁するアブラムシや、葉を食べるヨトウムシ・カメノコハムシ、さらに褐斑病やリゾクトニアによる葉腐病・根腐病が出やすい作物です。
薬剤は同じ系統を続けないことがコツです。
まずは発生のサインを早めに見つけ、予防→初期→進展の順に、作用の異なる薬剤に切り替えていきましょう。
使い方の流れ
発芽〜本葉が出そろうまでは、株元を乾かしすぎないよう管理し、病気は予防中心に。
虫は見つけ次第、発生初期に処理します。
本葉が茂る時期は、アブラムシと食害虫の両方に注意。葉裏観察を習慣化し、必要時にローテーション散布。
梅雨〜夏の多湿期は、褐斑病や葉腐病の予防・初期防除を優先。雨の前後でのタイミングが効果的です。
収穫期は安全日数(収穫前何日まで使えるか)を必ず確認し、ラベルの回数上限も守ります。
【ビーツの害虫・ダニの農薬サイクル例(共通)】
| 散布時期 | 使用農薬(成分) | 対象 | 散布間隔の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 本葉2〜4枚期(発生初期) | ウララDF(フロニカミド) | アブラムシ類 | 10〜14日 | 収穫14日前まで・2回以内(てんさい適用)。浸透移行性が低く抵抗性管理に有用。 |
| 本葉5〜8枚期(食害の出始め) | ブロフレアSC(ブロフラニリド) | ヨトウムシ・シロオビノメイガ・カメノコハムシ | 10〜14日 | 収穫7日前まで・3回以内(てんさい)。IRAC 30で他系統と交互に。 |
| 株が混み始めた頃 | リーズン顆粒水和剤(チアメトキサム+ルフェヌロン) | アブラムシ類・ヨトウムシ・カメノコハムシ・シロオビノメイガ | 10〜14日 | 収穫14日前まで・2回以内(てんさい)。異なる2成分で幅をカバー。 |
| 被害葉を見つけた直後(必要時) | プレバソンフロアブル5(クロラントラニリプロール) | シロオビノメイガなどチョウ目幼虫 | 7〜10日 | 発生初期に効果。てんさいで効果データの紹介あり。別系統としてポイント使用。 |
※出来るだけ違う農薬でサイクルするようにしてください
※あくまでも参考例としてご覧ください
【ビーツの病気の農薬サイクル例】
| 散布時期 | 使用農薬(成分) | 対象 | 散布間隔の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 本葉展開期(予防) | Zボルドー(水和剤:塩基性硫酸銅) | 褐斑病(初期)、べと病・さび病の同時予防 | 10〜14日 | 予防効果重視。早めの散布がコツ。 |
| 多湿期前後(予防〜初期) | ダコニール1000(クロロタロニル/TPN) | 褐斑病 | 10〜14日 | てんさいは収穫30日前まで・3回以内。保護殺菌剤として面を守る。 |
| 初期病斑を見つけたら | トップジンM水和剤(チオファネートメチル) | 褐斑病 | 10〜14日 | てんさいは収穫7日前まで・5回以内。治療的に効きやすい。 |
| 斑点の広がりが気になる時 | フリントフロアブル25(トリフロキシストロビン) | 葉腐病(リゾクトニア葉腐病) | 10〜14日 | 葉腐病に高い効果。QoI系は連用回避。 |
| 苗床〜定植前後(予防) | モンセレン顆粒水和剤(ペンシクロン) | 根腐病・葉腐病(リゾクトニア) | 育苗時灌注1回+本圃で必要に応じ散布 | てんさいに適用。本圃散布は収穫30日前まで・4回以内の例。予防主体で使う。 |
| 進展を抑えたいとき(交互) | ビートスター水和剤(マンゼブ+フェンブコナゾール) | 褐斑病 | 10〜14日 | 予防+治療の2成分でローテに挟むと有効。 |
※出来るだけ違う農薬でサイクルするようにしてください
※あくまでも参考例としてご覧ください
農薬散布に関する注意事項
使用回数は、上表の備考に記した各剤の「てんさい」での上限を超えないようにします。
例として、ウララDFは2回以内・収穫14日前まで、ブロフレアSCは3回以内・収穫7日前まで、リーズン顆粒水和剤は2回以内・収穫14日前まで、トップジンM水和剤は5回以内・収穫7日前まで、ダコニール1000は3回以内・収穫30日前までが目安です。
必ず手元のラベルでご確認ください。
安全日数(収穫前何日まで)は、てんさいでは薬剤ごとに異なります。
収穫直前はラベルに記載の「収穫○日前まで」を厳守し、迷ったら散布を見送る判断が安全です。
散布時の注意点は、まず発生初期に行うこと、葉裏までしっかり濡れるよう丁寧に散布すること、高温時や強風時は避けることが基本です。
ミツバチや蚕への注意喚起がある薬剤は、巣箱周辺にかけない、開花期を避けるなどの配慮をしてください。
希釈や混用は、製品ラベルに従ってください。
銅剤や一部薬剤は混用不可の注意がある場合があります。
調製した薬液はその日に使い切り、洗浄水は側溝や河川に流さないようにしましょう。
保管は直射日光と高温を避け、食品やペット用品と分けて、密栓のうえ子どもの手の届かない場所に。使い残しは必ずラベルの有効年限内に使い切ります。
無農薬(できるだけ薬に頼らない)で育てるコツ
最初に土づくりと排水を整えます。
過湿は病気を招きます。酸度は弱酸〜中性をねらい、元肥は控えめにして風通しを確保します。
定植直後から不織布や防虫ネットで物理的にガードすると、アブラムシと食害虫の侵入をぐっと減らせます。
観察の頻度を上げ、葉裏に群れるアブラムシや、小さな食害穴を見つけたら、手でつぶす・被害葉を外す・幼虫を捕殺する対応をすぐに行います。
潅水は朝に行い、葉を乾かしておくと病気が出にくくなります。
株元に敷きわらやマルチをして、泥はねによる感染を減らします。
連作は避け、少なくとも1〜2年は同じ場所にビーツやフダンソウ・ほうれんそう類を続けないようにすると、土壌病害の蓄積を抑えられます。
最後に、ここで示したサイクルは一例です。栽培環境や発生状況で調整しつつ、必ず各薬剤のラベルを確認して安全にお使いください。
収穫と保存方法について
STEP 1 収穫できるサイズを知る
ビーツは根の直径が5〜7センチほどになった頃が食べごろです。
あまり大きく育てすぎると硬くなりやすいので、丸くふっくらした姿になったら収穫の合図と考えるとわかりやすいです。
葉が大きく開いてきても焦らず、根の太り具合を観察しましょう。
STEP 2 収穫のタイミングを確かめる
地表に顔を出している部分を軽く触り、しっかり丸みがあれば収穫適期です。
色が鮮やかで、葉もしっかり元気に立っていれば甘みも十分に乗っています。
もし小ぶりでも、植え付けから2か月半ほど経っていれば味わいはしっかりしているので収穫して大丈夫です。
STEP 3 土から抜くときの工夫をする
収穫の際は、まず株元を少し揺らしてからまっすぐ引き抜くと根が折れにくくなります。
硬い土で抜けにくい場合は、株の周囲をスコップや手で少し掘り起こしてから抜くときれいに収穫できます。
根を傷つけると日持ちが悪くなるので丁寧に扱うことが大切です。
STEP 4 葉と根を分けて処理する
抜いた直後は葉と根を一緒にしておくと水分が葉に取られ、根がしぼみやすくなります。
根の部分から2〜3センチ残して葉を切り落とすと保存性が高まります。
葉も食べられるので、捨てずに別にしておきましょう。
STEP 5 短期保存の仕方を知る
すぐに食べる予定がある場合は、泥を軽く落として新聞紙に包み、冷蔵庫の野菜室に入れるのが簡単です。目安は1週間ほどですが、乾燥しないように新聞紙や袋で包んでおくと美味しさが保てます。
切った状態では傷みが早いので、使う直前に調理すると安心です。
STEP 6 長期保存の工夫をする
長く保存したいときは、土付きのままが理想です。
ダンボールや木箱に湿らせたおがくずや砂を入れ、その中にビーツを埋めるようにして涼しい場所に置くと1か月以上持ちます。
冷蔵庫の野菜室でも同じように湿らせた新聞紙で包んで保存すれば2〜3週間は十分に楽しめます。
STEP 7 冷凍保存で便利にストックする
すぐに使い切れないときは、下ゆでしてから冷凍がおすすめです。
皮付きのまま30分ほど柔らかくなるまで茹で、冷ましてから皮をむき、スライスや角切りにして小分けにラップで包みます。
そのまま冷凍すればスープやサラダにすぐ使えて便利です。冷凍なら約1〜2か月おいしく保存できます。
ビーツは収穫してからの扱いで味の良さが大きく変わります。
掘り取るタイミングと保存の工夫を押さえておけば、家庭菜園でも甘くてきれいな色合いを長く楽しむことができます。

まとめ
ビーツは初心者でも育てやすい根菜で、色鮮やかで栄養価も高いことから家庭菜園で人気があります。
種からでも苗からでも始められ、プランター栽培も可能です。
マルチや水やり、追肥などを丁寧に行えば、甘くておいしいビーツが収穫できます。
病害虫対策では、農薬の使い方やローテーションが重要ですが、無農薬で育てたい方にも自然由来の対策方法があります。
ビーツの栽培を通じて、家庭菜園の楽しさを実感していただければ幸いです。




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